赤と黒 -5ページ目

Best of comics 2022

 本年度のランキングは以下の通り。

 

1―『ビジャの女王』(森秀樹)

2ー『村づくりゲームのNPCが生身の人間としか思えない』

      (原作:昼熊/漫画:森田和彦/キャラクター原案:海鼠)

3―『くちべた食堂』(梵辛)

4―『姫様、拷問の時間です』(原作:春原ロビンソン/漫画:ひらけい)

5―『SPY×FAMILY』(遠藤達哉)

6―『新テニスの王子様』(許斐剛)

7―『あかね噺』(原作:末永裕樹/作画:馬上鷹将)
8―『765プロの台所』(くまみね)
9―『男の食談義』(川原将裕)
10―『HUNTER×HUNTER』(冨樫義博)

 


 今年は何といっても『HUNTER×HUNTER』の再開です(その割には順位が低めですが…)。果たして次に読めるのは何年後か…

『国盗り物語』 3、4巻 

 『国盗り物語』(司馬遼太郎) 3、4巻 

 

―あらすじ―
 織田信長。その男は歴史に登場した。斎藤道三の娘・濃姫を正室とし、結果として美濃を征服する。室町幕府さえも不要とする彼だったが、一方で、室町幕府と親しい関係にある明智光秀は苦悩していた。

 


 2021年中に何とか読み切りたかった作品ですが、力及ばず、年明けに読み終えることになりました。3,4巻は織田信長編とはありますが、実質明智光秀が主人公であり、信長の覇道を描くというよりかは、「なぜ本能寺の変が起きたのか」に焦点が当てられていたように思います。また、面白さについては斎藤道三編の方が面白かったように思いました。ただ、それに関しては私が斎藤道三のことをあまり知らなかったゆえに、道三の出世の道筋が新鮮で煌びやかに映っただけとも言えます。とは言え、全体的には道三編、信長編ともに楽しんで読むことが出来ました。

 振り返れば、司馬文学も数多く読んできました。あまりメインで読んでいる著者ではありませんが、長い目で見ればいずれか鉱脈を掘り終えることになるでしょう(『坂の上の雲』や『飛ぶが如く』など長編が残っておりますが…)。

 

 

謹賀新年(2022年)

明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願いします。

Best of books 2021

 本年度のベスト10は以下の通り。

 

1―『氷壁』(井上靖)

2―『真珠夫人』(上下巻)(菊池寛)

3―『駿河城御前試合』(南條範夫)
4―『功名が辻』(司馬遼太郎)

5―『あなたに捧げる犯罪』(小池真理子)

6―『しづ女の生涯』(三浦哲郎)

7―『人斬り以蔵』(司馬遼太郎)

8―『クリムゾンの迷宮』(貴志祐介)

9―『墓地を見下ろす家』(小池真理子)
10―『家族八景』(筒井康隆)

 

 

 今年読んだ冊数は54冊(新規48冊+再読6冊)。毎年、何とか100冊を目標に読書をしてきましたが、ついに100冊読むことが出来ない年が来てしまいました。本を読んでいない期間が約半年あったため、妥当な冊数とも言えますが。とは言え、それでも『氷壁』や『真珠夫人』など、例年のベスト10とも引けを取らない名作を読むことが出来ました。今年の特徴としては、上半期で読めなかった分を回復すべく、下半期にはイヤミスやホラー短編集を中心に多くの作品を読んだことでしょう。結果として、貴志祐介、小池真理子など、今まで読んだことのなかった作家に興味が持てたことは大きな収穫です。

Best of comics 2021

 本年度のランキングは以下の通り。

 

1―『33歳独身女騎士隊長。』(天原)

2ー『村づくりゲームのNPCが生身の人間としか思えない』

      (原作:昼熊/漫画:森田和彦/キャラクター原案:海鼠)

3―『その着せ替え人形は恋をする』(福田晋一)

4―『姫様、拷問の時間です』(原作:春原ロビンソン/漫画:ひらけい)

5―『新テニスの王子様』(許斐剛)

6―『1日外出記録ハンチョウ』

      (原作:萩原天晴/漫画:上原求、新井和也/協力:福本伸行)
7―『新婚よそじのメシ事情』(小川俊史)
8―『ホームルーム』(千代)
9―『星のさいごメシ』(おおひなたごう)
10―『ジョジョリオン』(荒木飛呂彦)

次点『風雲児たち 幕末編』(みなもと太郎)

 


 web連載の漫画を読む機会が増えてきました。数年前には読みたい漫画があまりない時期もありましたが、その時期に比べるとかなり多くの漫画を読んでいる気がします。去年から引き続き読んでいる作品の他にも、ランキングに入りきりませんでしたが、『あだち勉物語』(ありまたけし)、『それでも歩は寄せてくる』(山本崇一朗)、『中華一番!極』(小川悦司)、『スナックバス江』(フォビドゥン澁川)なども楽しみに読んでいます。

 『ジョジョリオン』は約10年の連載が終了。全体的に、やや盛り上がりきることなく終わってしまった感はあります。

 8月には、みなもと太郎が逝去されました。これにより、私の読書歴にも多大な影響を与えてくれた『風雲児たち』は未完となりました。何と悲しいことか。みなもと先生、ありがとうございました。

『国盗り物語』 1、2巻

 『国盗り物語』(司馬遼太郎) 1、2巻 

 

―あらすじ―
 室町時代末期の京都。妙覚寺で僧となった法蓮房は、還俗して松波庄九郎と名乗る。彼こそは、後世「美濃の蝮」と呼ばれるようになる齋藤道三その人であった。油問屋の婿養子となった庄九郎は、いずれは日ノ本を手中に収めようと、野望を燃やしていく。

 


 全4巻のうち、前半の2冊を読み終えました。前半2巻は斎藤道三編となっており、「美濃の蝮」と呼ばれた道三の出世物語となっています。私自身、斎藤道三については寡聞にして知らないところが多く、本書を読んで初めて知ることばかりでした。個人的には出世と言えば豊臣秀吉の印象が強いのですが、どうしてこの道三の出世街道も見事なものです。本書での道三は善悪を超越した独自の人生観を持っており、「魅力的な悪人」として我が覇道を突き進んでいきます。これが実に爽快。また、2巻中盤からは織田信長がチラチラと登場し始めました。3巻以降は信長が主役として進んでいくようです。3巻以降はまだ読んでおりませんが、こちらも期待が高まります。

 

 

『子どもの隣り』(再読)

 『子どもの隣り』(灰谷健次郎)

―あらすじ―
 4歳の男の子・タアくんが日々の中で感じるあれこれ。周囲の大人たちとの交流を切り取った表題作ほか、全4編からなる「子どもたちの日常」。



 子どもたちの持つ漠然とした不安や憤り、そして喜びなど、大人が忘れてしまった感情が丁寧に描かれている短編集です。「子どものときに見ていた大人って、こんな感じだったなあ」と思わせてくれるような、どこか懐かしい作品でもあります。

 

 

『カリコリせんとや生まれけむ』

 『カリコリせんとや生まれけむ』(合田誠)

―あらすじ―
 もっとも危険な現代美術家による初エッセイ集。

 

 

 時に物議を醸しだす、現代美術家・合田誠氏によるエッセイです。絵も個性的ならば文章もなかなかに個性的で、らしいと言えばらしい文章でした。個人的には好みに合わず…

 

 

『伊勢物語』

 『伊勢物語』(大津有一)

―あらすじ―
 「昔、おとこありけり。」――有名な一文から始まるこの文章は、在原業平をモデルとして書かれた物語である。

 

 

  「芥川」や「筒井筒」など、教科書で断片的に読んだことのある『伊勢物語』ですが、最初から最後まで読んだのは初めてとなります。と書いておきながら、内容が難しく、本当にただ読んだだけになってしまったのが正直なところです。現代語訳が載っているサイトなどで少しずつ調べながら読んでいますが、古文を勉強していた学生時代に比べると、自分自身の古文読解力も下がってきていることを実感します。

 

 

『太公望』(上中下巻)

 『太公望』(宮城谷昌光)

―あらすじ―
 商(殷)の紂王によって一族を滅ぼされた少年がいた。彼は生き延びた仲間たちとともに、復讐を誓う。その少年の名は「望」。のちに商王朝を廃滅に導き、周の建国に尽力した人物である。

 

 

 ともすれば好々爺としてのイメージが強い太公望ですが、この作品では商王朝を倒さんがために邁進する、実に人間らしい人物として書かれています。フィクションの人物も登場し、虚と実が混ざり合って物語が展開していきます。ただ、個人的には「封神演義」よりの作品だと思って手に取ったため、内容と予想のギャップのせいか、あまり本書に入り込むことが出来ずに中巻まででストップしておりました。一念発起して下巻から再開した後はスムーズに読み進めることが出来ました。数年後にまた一から通して再読すれば、面白さに気付けるかもしれません。