『太公望』(上中下巻) | 赤と黒

『太公望』(上中下巻)

 『太公望』(宮城谷昌光)

―あらすじ―
 商(殷)の紂王によって一族を滅ぼされた少年がいた。彼は生き延びた仲間たちとともに、復讐を誓う。その少年の名は「望」。のちに商王朝を廃滅に導き、周の建国に尽力した人物である。

 

 

 ともすれば好々爺としてのイメージが強い太公望ですが、この作品では商王朝を倒さんがために邁進する、実に人間らしい人物として書かれています。フィクションの人物も登場し、虚と実が混ざり合って物語が展開していきます。ただ、個人的には「封神演義」よりの作品だと思って手に取ったため、内容と予想のギャップのせいか、あまり本書に入り込むことが出来ずに中巻まででストップしておりました。一念発起して下巻から再開した後はスムーズに読み進めることが出来ました。数年後にまた一から通して再読すれば、面白さに気付けるかもしれません。