『国盗り物語』 1、2巻 | 赤と黒

『国盗り物語』 1、2巻

 『国盗り物語』(司馬遼太郎) 1、2巻 

 

―あらすじ―
 室町時代末期の京都。妙覚寺で僧となった法蓮房は、還俗して松波庄九郎と名乗る。彼こそは、後世「美濃の蝮」と呼ばれるようになる齋藤道三その人であった。油問屋の婿養子となった庄九郎は、いずれは日ノ本を手中に収めようと、野望を燃やしていく。

 


 全4巻のうち、前半の2冊を読み終えました。前半2巻は斎藤道三編となっており、「美濃の蝮」と呼ばれた道三の出世物語となっています。私自身、斎藤道三については寡聞にして知らないところが多く、本書を読んで初めて知ることばかりでした。個人的には出世と言えば豊臣秀吉の印象が強いのですが、どうしてこの道三の出世街道も見事なものです。本書での道三は善悪を超越した独自の人生観を持っており、「魅力的な悪人」として我が覇道を突き進んでいきます。これが実に爽快。また、2巻中盤からは織田信長がチラチラと登場し始めました。3巻以降は信長が主役として進んでいくようです。3巻以降はまだ読んでおりませんが、こちらも期待が高まります。