『キネマの神様』 | 赤と黒

『キネマの神様』

 『キネマの神様』(原田マハ)

―あらすじ―
 39歳独身の歩は、社内であらぬ噂を流され会社を辞める。時を同じくして父が倒れ、父に多額の借金があることが発覚した。家を整理する中で、歩は父が映画の評論をまとめていることを知る。そこから映画雑誌「映友」と繋がりができ…



 読みやすく、読後感も爽やかな作品です。あれよあれよという間に憧れの雑誌社と関りを持つようになったり、終盤での一波乱と感動とハッピーエンドという、フィクションのお手本のような作品です。主人公たちが映画好きということで、映画に関する説明が端々に出てきますが、それらは飛ばしてしまっても本筋には関係ありません(好きなことに対して真っ直ぐなんだとういうことが分かっていれば問題なし)。

 と書くと褒めているように思いますが、個人的な感想としては、「本書はあくまでフィクション(作り物)」という印象を拭えません。本書中盤から大まかな展開が読めてしまい、結果としては予想の通り、「一波乱と感動とハッピーエンド」で物語が集結しました。流し読みで30分ほどで読めてしまいました。