『華岡青洲の妻』 | 赤と黒

『華岡青洲の妻』

 『華岡青洲の妻』(有吉佐和子)

―あらすじ―
 江戸時代中期の和歌山。武家の娘である加恵は、医師の華岡雲平に嫁ぐこととなった。雲平は遊学中ではあったが、義母との仲も良く、加恵は華岡家を守っていた。3年後、雲平が家に戻ってきたことにより、義母と加恵との間には不穏な空気が流れるようになる。



 本書の存在は10年以上前から知ってはいたのですが、読む機会がないままに年月が経ってしまいました。約250ページという短さながら、嫁姑間で行われる水面下での骨肉の争い。直接的な対立ではなく、あくまで水面下であることが、より争いの恐ろしさを表しているように思えます。また、時代背景こそ江戸時代ではありますが、現代日本に通ずる部分でもあり、それが何度も映像化されている理由なのでしょう。