『銀嶺の人』 | 赤と黒

『銀嶺の人』

 『銀嶺の人』(新田次郎)

―あらすじ―
 八ヶ岳で避難し、山小屋で出会った2人の女性登山家。淑子と美佐子は、全く異なる性格をしていながらも、互いを信頼して山に登ることとなる。女性では世界で初めてマッターホルン北壁完登を成しとげた、2人の実在人物をモデルに描く山岳小説。



 また凄い本を読んでしまったな、というのが率直な感想です。性格の異なる2人の女性をそれぞれ主人公として、山に登る姿を描いていきます。気の強い女医・淑子と無口で涙もろい鎌倉彫職人・美佐子。2人の対比や視点の違いもあってか、同著者の『孤高の人』とはまた違った面白さが光ります。