『天使の囀り』
『天使の囀り』(貴志祐介)
―あらすじ―
精神科医である北島早苗のもとに、ブラジルから恋人の高梨が帰ってきた。高梨は新聞社主催のアマゾン調査隊に参加していたが、帰国後の彼は人格が変わったかのような様子を見せ、ついには自殺してしまう。「死」を極端に恐れていたはずの彼がなぜ死を選んだのか。高梨が残した「天使の囀りが聞こえる」とは何か。
ホラー小説の傑作と言ってもいいでしょう。ホラー小説は因果や動機が曖昧であったり、オチが弱い作品が多い印象ですが、本作は最初から最後まで飽きることなく読み終えてしまいました。SFながらも、妙なリアリティを感じさせてくれる作品です。電車で読んでいて、作品にのめり込んでいて危うく乗り過ごしてしまうところでした。