『貧乏同心御用帳』 | 赤と黒

『貧乏同心御用帳』

 『貧乏同心御用帳』(柴田錬三郎)

―あらすじ―
 江戸町奉行所の町方同心・大和川喜八郎。独身ではあるものの、彼は孤児を9人も引き取って同居していた。そんな彼の元に、奇妙な事件が舞い込んでくる。謎を追ううちに、秘められた真実が明らかとなる。連作短編4本を収録。



 久しぶりに著者の時代小説を読みました。再読を除けは2015年に読んだ『眠狂四郎独歩行』以来となりますので、約8年の隔たりがあります(現代劇は2019年に読んでいますが)。シバレンと言えば斬り合いのシーンはもちろん、そのストーリー構成が面白く、ついついページを捲ってしまいます。本作でもその面白さは変わらず、人妻が次々と失踪する事件や武田の埋蔵金に関する事件など、実にケレン味のきいた短編ばかりでした。欲を言えば、せっかくの子供たちがあまり活躍しないのが勿体ないところではあります。