『厭な小説』 | 赤と黒

『厭な小説』

 『厭な小説』(京極夏彦)
 
―あらすじ―
 子供、老人、扉、先祖、彼女、家、小説。それぞれに厭なものが存在し、主人公たちを追い詰めていく。厭な話7篇を収録した連作短編集。

 

 
 タイトルの通り、確かに厭な話ばかりが収録されています。個々の話はオチが分からず、事実なのか妄想なのか不明な話もありますが、最後には最終話である「厭な小説」に収束されていきます。連作だということに気付かず中盤まではよく分からないままに読み進めてしまいましたが、最終話まで読み終えて完結といったところでしょうか。いい意味で、気持ち悪さを体現している作品です。