『許されようとは思いません』 | 赤と黒

『許されようとは思いません』

 『許されようとは思いません』(芦沢央)

 

―あらすじ―
 入社3年目にして、営業成績を急上昇させた主人公。が、それは誤発注による間違った売り上げであった。何とかバレずに済む方法を考える主人公だったが、嘘を隠すための嘘が、異常な事態を呼び込んでいく。「目撃者はいなかった」ほか、全5篇。

 

 

 先日読んだ『贅肉』(小池真理子)のような、ふとしたことで歯車が狂っていく作品が多く収録されています。個人的には「姉のように」はなかなかの面白さでした。「目撃者はいなかった」も面白いですが、偶然が重なりすぎていてフィクション感が強い(没入感に欠ける)ですね。他もそれなりに読み応えがありますが、特筆すべきほどかというと…といったところです。