『貴族探偵』 | 赤と黒

『貴族探偵』

 『貴族探偵』(麻耶雄嵩)

―あらすじ―
 信州の山荘で、密室から死体が発見された。警察による捜査が始まるが、そこには謎の紳士が登場する。自らを「貴族探偵」と称するこの男の捜査方法とは。

 

 本作品のポイントは「執事に捜査を丸投げし、全く働かずに推理を行う探偵」という設定にあるのですが、個人的にはこの設定は必要なのかなと…この設定にメリット(面白さ)が感じられず…例えば、財力で事件を解決する『富豪刑事』(筒井康隆)は富豪という設定が上手く使われているのですが、本作は別に貴族でなくてもいいのではないかと感じてしまいます。事件のトリックは悪くないと思うのですが、今一つ没頭できないままでした。