『山が見ていた』 | 赤と黒

『山が見ていた』

 『山が見ていた』(新田次郎)

―あらすじ―
 結婚してもなお、山に登ることを切望する男。彼を理解しようとしない妻と義母。彼を理解しようとする実母。彼は山に登ろうとするが…(「山靴」)全15篇からなる短編集。



 数多くの山岳小説を生み出している著者による、少し変わった短編集です。イヤミスのような、何とも言えない作品が多く収録されており、著者の作品は山岳小説しか読んでいない私としては、意外な一面を知った印象です。真梨幸子、麻耶雄嵩といった著者の作品が好きな方におすすめしたい短編集ですね。